先日の大磯のときに
リエさんからいただいた手紡ぎの糸。
おしゃべりしながらも手のひらのなかでくるくるっと羊毛を
ちっちゃく巻いて、ひゅーっとスピンドルに巻き取っていく動きに
一切の無駄はなくみるみる糸があらわれる様に目が奪われます。
こんな素敵な糸、いったい何に使いましょう。
ほんの少しはえているよもぎ。高い位置にしかないので手を伸ばしたり
ジャンプしたりして摘んだけれど本当に少しだけ。
うちのまわりも雑草が本当に減ってしまいました。
こどもの頃は同じ場所で採ったよもぎで祖母がよもぎ餅をたくさん作ってくれたのですから。
まだ生えているところもあるのだけれどすぐにきれいに刈られてしまう。
「美しい」という基準は人それぞれで。
よもぎやハルジオンが咲いていた崖がある日「きれい」に
刈り取られているのを見ると私は悲しくなるけれど
「美しく」なったと感じる人もたくさんいるんだよな。
だから古い建物が壊されてもこんなに「きれい」なピカピカの新しいビルが
建ったんだからいいじゃない、という基準も人それぞれで。
時々やりきれなくなるけれど。
少しのよもぎからは少しの染液しか取れなかったので
薄手のリネンのスカーフを染めました。
私の複雑な思いをよそに植物はちゃんときれいな色をくれました。